[集客の費用対効果]外装修繕と内装リフォームについて考える
賃貸用の物件をお持ちのオーナー様は共通して「客付けのためには内装リフォームと外装リフォームどちらを優先的にやるべきか」というお悩みをお持ちではないでしょうか。
建物は屋根や外壁だけでなく、内部の設備も経年により少しずつ劣化していきます。外観が汚くなっていけば、入居者の心象は悪くなりますし内見時の印象もよくありません。時代に合っていない内装設備では内見依頼も減ってきますし、入居者が見つからず家賃を下げなければならないケースもあるでしょう。
本記事では、賃貸物件の内装・外装ともに施工をさせていただいている施工会社の観点からリフォームの実施時期・外装と内装の優先順位・費用対効果の大きなリフォームについてアドバイスをさせていただけたらと思います。
リフォームはどのタイミングで必要になるのか?
住宅設備の機能部
賃貸物件に限らず建物のリフォームは部位ごとにリフォームが必要なタイミングが異なります。最も早くリフォームが必要となるのは設備機器の機能部です。具体的にはキッチンや洗面化粧台の水栓部分やガスコンロや給湯器などのガス機器です。
これらは早いものだと築10年ほどで不具合が発生し始めます。
これらは利用できないまま放置することはできないので絶対に修理をすることになります。機能部のみのリフォームすることも可能なので、水栓で3~5万円、ガスコンロで10万円、最も高い給湯器でも15~20万円ほどの費用となります。戸数が多い場合にはすべての住戸で発生するものなので計画的にリフォーム予算を確保しておくことが必要です。
また、これらのリフォームは付加価値が付くものではないため集客効果ではなく建物の維持に必要なリフォームとなります。
住宅設備(本体)
キッチンやユニットバス(浴室)、洗面化粧台などの住設機器は機能部を除いて故障により使えなくなるというケースは少ないため交換のサイクルは20~30年ほどとなります。
使えなくなったからリフォームをするというよりも汚れなどで美観が悪くなった、時代にそぐわない設備になったなど付加価値をつけるために交換するものになります。
住設設備のリフォームに関してですが、ただ新しいものにしただけでは付加価値にならないケースが多いということも気を付けなければいけません。
設備交換をする場合にはグレードやデザインを選ぶことができます。賃貸物件なので価格を抑えて賃貸グレードのものを入れるケースが最も多いですが、集客を考えた場合は少しだけ費用をかけても付加価値をつけるような意識を持つことをお勧めします。
新しいキッチンに変わればそれだけで付加価値もつきますし機能性は高いですが、差別化という観点では少しインパクトは弱くなります。
一方収納面では少し劣りますが、若者をターゲットとする地域ではデザイン性の高いキッチンを設置して住戸全体でデザインを統一すると付加価値が付きます。商品金額は大きく変わりませんが施工費などはサンワカンパニーの方が高くなる傾向にありますのでコンセプトを決めてリフォームする場合には大きな武器になります。
外壁・屋根などの外装
外壁・屋根は建物の外観という美観の側面と雨水の侵入を防止する機能の両面を持っており、特に雨水の侵入を防止するという役割が最も重要です。建物の資産寿命を延ばすだけでなく、メンテナンスの際の修繕コストは適切に外装リフォームが行われているかどうかで大きく変わってきます。
外壁や屋根材・防水材に何が使用されているのかにもよりますがほとんどの場合15年前後に1度は全体的に修繕・リフォームが必要となります。これは実際に雨漏りなどの問題が起きてからやるものではなく、雨漏りなどを防止するために行うものと認識することをお勧めします。
実際に雨漏りが生じてしまうと予防のための工事に比べて1.5~3倍ほどの費用が掛かるケースも多く、最悪の場合は入居者がいては壁などを撤去出来ないため修繕ができないこともあります。
集客の面では住設機器のリフォームほどの集客力アップは期待できませんが、ターゲットにあった色合いに塗装色を変えるなどで追加費用なく印象をよくすることもできます。外装リフォームに合わせて、ポストの交換や宅配ボックスの設置、共用廊下の美装を行えば単体工事よりもコストを抑えて集客のアピールポイントを増やすことができます。
まとめ
内装・外装のリフォームのタイミングを確認してきました。優先順位は建物の資産維持と集客力を天秤にかけることになりますので何を重視するかにより優先順位をつけていくのがよいかと思います。
外壁・屋根などの外装リフォーム > キッチンやユニットバスなどの内装リフォーム
基本の考え方は資産維持重視が合理的かと思います。いくら入居率が良く、収益性が高くとも建物に不具合が出てしまっては長期的に資産を運用することもできませんし、売却の際には減額の事項になってしまいます。
入居率などはコントロールが難しいですが資産性の維持はオーナーの裁量によってコントロールができる部分です。外装修繕をして集客力が上がる可能性もありますし、確実に防水性能などは向上につながりますのでやって損することはありません。
外装は優先度を上げて、常に資金計画を練っておくことが重要です。
キッチンやユニットバスなどの内装リフォーム > 外壁・屋根などの外装リフォーム
入居者をすぐに入れたいという場合に即効性があるのは外装リフォームよりも住宅設備の充実です。まずは収益を生まないことには外装修繕の費用を捻出できないので収益性を先に挙げることでお金を回るようにしようと考える場合には内装の優先度を高くするとよいいと思います。
しかし、内装を充実したとしても確実に入居者が決まるわけではありませんし、入居者の回転が速い場合には美観の劣化スピードも速くなってしまいますので計画を立ててリフォームを行うことが必須です。
内装を新しくするだけでは大きな集客力にならないこともお伝えした通りですので、こちらの方が難易度は高くなりますので情報収集や信用できる内装会社とのつながりを作るなどの工夫をしてみてください。
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