ALC造は存在しない
建物修繕を学ぶ 2020.11.27
ALC造ってなに?
建物の修繕をしていると、多くのお客様から「ALC造ってなに?」というご質問をいただくことがあります。施工業者などに見てもらうと「この建物はALC造ですね」と簡単に言われることが多いみたいですが、まずALCという言葉の意味から説明してもらわなければ理解することが難しいですよね。また、ALCというのは構造の名称ではなく壁材の名称なので「ALC造」というのは間違った使い方となります。まずはALCという言葉の意味から理解していきましょう。
ALCとは
ALCとはそもそもAutoclaved Light weight aerated Concreteの頭文字をとったもので、「高温で発砲加工した軽量のコンクリート」という意味になり、専門知識がある人は「軽量気泡コンクリート」と呼ぶことが多いです。これをラス網と呼ばれる金属網によって補強したものがALCボードとなり建物の外壁として使われております。
ヘーベルボードという言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、こちらもALCボードの一種です。ヘーベルボードとは旭化成ホームズが売り出しているヘーベルハウスに採用されているALCボードのことで、一般戸建住宅で多く使われているためALCボードの代名詞としてヘーベルボードと呼ばれることがあります。
建物外観でいうとこのようなものです。
この長方形の1枚1枚がALCボードで、ボードとボードの間に溝(目地)があります。
※補修により溝(目地)が埋まっているものもあります。
結局ALCは何造なのか?
一般的に「ALC造」と言われている建物は「鉄骨造」であることがほとんどで、壁体にALCボードが使われているものを指します。ALCボードが構造躯体になっているわけではないですが、差別化として「ALC造」と呼んでいるケースが多いように感じます。鉄骨造の壁体として用いられるものはALCボードの他に「プレキャストコンクリート(工場で生成されたコンクリート板)」や「押出成形セメント」がありますが、ALCボードが手軽で性能も高く、コストも抑えることが出来るため主流の壁材となっています。
稀に木造でもALCボードが使われていることもあります。
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2020.11.27
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