建物の構造とその特徴
建物修繕を学ぶ 2020.11.27
建物構造の種類
建物を建てる際や購入する際のは「この建物はRC造なので耐久年数が高く資産価値が維持出来ますよ」「S造ですがALC仕上げなので安心ですよ」などと言われることがあるかと思いますが、そもそも建物構造の種類を知らなければ何がいいのかがわからないですよね。 まず、アパート・マンションの作り(構造)は大きく分けて「W造」「S造」「RC造」「SRC造」の4種類あり、それぞれ建物の性質が異なります。つまり、建物の修繕を計画する場合には、まずご自身が所有している建物は何構造なのかを把握しておく必要があります。
W造(木造)
W造のWはwood(木)を表しており、主な構造部材が木材で出来ている建物を指します。木造は日本の戸建住宅では主流の構造形態であり、日本の気候に適した構造であると言われております。 建築費用は最も抑えられる構造ではありますが、基本的に3階までの建物に限定されるため、集合住宅としては小規模なアパートで採用されていることが多いです。
S造(鉄骨造)
S造のSはsteel(鉄)を表しており、梁や柱といった構造主要部を鉄骨を鉄骨とする建物を指します。鉄骨で家の骨組みを作ってからそこに肉付けをして行った建物をイメージすると分かりやすいかもしれません。構造主要部以外は木材を使うのが一般的です。
また、S造は鉄骨の太さ(厳密に言えば鋼材の厚み)によって呼び方が変わるのも一つの特徴です。6㎜以上の厚みがある鋼材を鉄骨として使用している構造を「重鉄骨造」、6㎜未満の鋼材を鉄骨として使用している構造を「軽鉄骨造」と呼びます。
重鉄骨構造は鉄骨同士を完全に固定するラーメン構造や小さな三角を多数組み合わせるトラス構造を用いて商業ビルや高層マンションなどの大規模な建築に採用されることが多いです。一方で軽鉄骨構造は、木造と同様の組み方をするので比較的小規模な建物に多く、戸建や小規模な集合住宅、店舗等に採用されています。
RC造(鉄筋コンクリート造)
RC造のRCはReinforced Concrete(強化されたコンクリート)簡単に言えば、鉄筋などにより強化されたコンクリート造ということになります。特性の異なる二つの材料を用いることで互いの弱点を補い合い、機能性の高い構造を実現したものです。
コンクリート:耐熱性・耐久性に優れており、圧縮に強いが、引っ張りに弱い
鉄筋:引っ張りに強いが熱やサビに弱い
熱やサビと言った外的要因に弱い鉄筋を、コンクリートの中に一体的に埋め込むことにより、鉄筋を弱点から守り、コンクリートの弱点である引っ張り(曲げ)に対しては鉄筋に負荷がかかるよう配置することでカバーする形にしたものです。
材料自体は安価ですが、コンクリートの打設に時間を要するため人件費の分だけコストが割高になるケースが多いです。機能性の高さから、小規模な集合住宅から大規模な商業ビルまで幅広い建物に採用されています。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
SRC造のSRCはSteel Reinforced Concreteの略称で、簡単に言ってしまえばRC造に鉄骨を加えたものだとイメージしてもらえればわかりやすいと思います。
鉄筋と鉄骨はそもそもの役割が大きく異なり、鉄筋は主に直径13㎜程の細いものでコンクリートを補強する役割を担います。一方で鉄骨は構造材の芯となる役割を担い、鉄骨造そのままでも十分な耐久性がある鉄筋コンクリートで覆うので4種類の構造の中でも最も強い構造と言えます。
SRC造は強度の高さ故に、建築コストも莫大になるケースが多いため、大型マンションや高層の商業ビルなどで多く採用されています。
建物構造の種類建物を建てる際や購入する際には「この建物はRC造なので耐久年数が高く資産価値が維持出来ますよ」「S造ですがALC仕上げなので安心ですよ」などと…
2020.11.27
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